中小企業診断士試験を1年でストレート合格する確率は、4〜5%とかなり低い水準になっています。
そのため、複数年計画で合格を目指す受験生も多く存在します。
しかしながら、複数年計画による受験は本当に有効なのでしょうか。
科目合格率は、年度によって、バラつきがあることも心配されますよね。
この記事では、過去の統計資料を元に、複数年計画による受験の有効性について検証していきます。
検証ルール
検証は、次の条件で実施します。
・検証対象は、1次試験のみです。
・受験生の実力は、「合格ライン上」 = 「科目合格率の平均値16.92%」※1とします。
・科目合格率が16.92%以上の場合、その科目を合格したと判定します。
・総得点による合格基準判定は、合格率で代替します。※2
・受験期間は、科目合格の有効期限の3年間とします。
・資格予備校がコースとして用意している「1年目に暗記系3科目※3」、「2年目に理論系4科目※4」の計画で検証します。
・2年目の受験科目は、理論系4科目+1年目不合格科目とします。
・3年目の受験科目は、1年目と2年目の不合格科目とします。
※1 科目合格率の平均値16.92%は、統計資料に基づき、全科目の14年分の「科目受験者数」と「科目合格者数」から算出した数値です。
※2 例えば3科目の合格率の平均が16.92%よりも高い場合、総得点による合格基準で合格したとみなします。なお、40点未満の足切りは考慮外としました。
※3 暗記系3科目とは、経営法務、経営情報システム、中小企業経営・中小企業政策のことです。
※4 理論系4科目とは、経済学・経済政策、財務・会計、企業経営理論、運営管理のことです。
検証結果︰合格する確率は「50%」
検証ルールに従って、確認したところ、12回中、6回が試験合格にたどり着くという結果でした!
検証詳細︰合格した6回の詳細や特徴
合格した6回の詳細は、次のとおりとなります。
合格した6回の特徴をまとめると、次のとおりでした。
(1) 2年目合格が5回、3年目合格が1回のみ
(2) 6回すべてが総得点基準による合格
(3) 合格した年度の受験科目数は平均5.5科目と多い
まとめ
大切なのは、総得点基準を上手く使うことですね。
そのために、一定数の科目を受験した方が有効だということです。
例えば、2年目に合格を狙うのであれば、得意科目の受験を2年目に計画するといったことが有効でしょう。
コメント