中小企業診断士試験は、男性と女性どちらが有利な試験なのか、過去16年分の統計資料をもとに分析してみました。
1次試験は「男性」が有利
1次試験の「男女別の合格率」は、次のとおりです。


グラフを見れば、一目瞭然ですね。
中小企業診断協会が公表している過去16年のすべての年度において、1次試験の合格率は、「男性」が女性を上回っています。
平均値で比較しても、「男性16.38%」、「女性11.00%」と、その差「5.38%」となっています。
なぜ、ここまで、1次試験の合格率は「男性」が女性よりも高いのでしょうか。
ここで、改めて、中小企業診断士の業務を確認すると、中小企業支援法で「経営の診断及び経営に関する助言」とされており、「現状分析を踏まえた企業の成長戦略のアドバイス」が主な業務とされています。
試験内容もこれに基づいていることから、「社会人経験」が有利に働くことが推測されます。
この「社会人経験」については、女性よりも「男性」の方が豊富と考えられます。
例えば、15歳〜64歳の就業率(2017年度値。内閣府公表)を見ると、「男性82.9%」、「女性67.4%」と、その差「約15%」となっています。
また、民間企業の課長級(2015年度値。内閣府公表)の「女性比率は9.8%」であり、男女でかなりの差があることがわかります。
以上のことから、1次試験の合格率は、「男性」が女性を上回っているのだと思います。
しかしながら、1次試験は、マークシート方式による択一式であり、採点基準が明白な絶対評価の試験であることから、しっかりと試験対策を行うことで、女性でも十分合格できる試験だと言えます。
2次試験は「女性」が有利
続いて、2次試験の「男女別の合格率」を見ていきたいと思います。


2次試験もグラフを見れば、一目瞭然の結果になっています。
中小企業診断協会が公表している過去16年のうち、2005年度を除いて、2次試験の合格率は、「女性」が男性を上回っています。
平均値で比較しても、「男性19.17%」、「女性22.80%」と、その差「4%弱」となっています。
なぜ、ここまで、2次試験の合格率は「女性」が男性よりも高いのでしょうか。
なぜ、1次試験との間で逆転現象が生じているのでしょうか。
中小企業診断士試験が、「社会人経験」が有利に働くことや、2次試験は1次試験の延長上の試験であることを考えると、「男性」の合格率が高くなるのが自然な気がしますが・・・。
2次試験(筆記試験)は、採点基準が曖昧なため、調整する余地があることから、もしかしたら、女性の診断士を増やしたいという考えがあるのかもしれませんね。
まとめ
■1次試験は「男性」が有利
■2次試験は「女性」が有利
ただし、中小企業診断士試験の山場は、2次試験(筆記試験)とされていることから、総合的には「女性」に有利な試験であると考えます。
つまり、女性こそ、中小企業診断士試験を受けるべきですね!
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