【一発合格者の過去問解説】中小企業診断士 2次試験 平成29年度 事例Ⅳ 第1問

過去問解説(二次試験 事例Ⅳ)

この記事は、「中小企業診断士 2次試験 平成29年度 事例Ⅳ 第1問」の解答・解説を紹介しています。

「事例Ⅳ 第1問のポイント」は、次のとおりです。
(1)試験開始後「25分」までに解答を完了する。(事例Ⅳは時間との戦いです。)
(2)財務指標は、オーソドックスなものを選択する。
(3)文字数制限の対策のため、キーワードをあらかじめ用意する。
(4)基本的に全問正解を目指す。(例年25点程度の配点です。)

なお、試験問題(過去問)は、以下のURLから入手することができます。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2017/d2ji2017.pdf

問題文「平成29年度 事例Ⅳ 第1問」

例年、事例Ⅳの第1問は「財務分析(経営分析)」が出題されています。
平成29年度では、以下の問題が出題されました。

第1問(配点25点)
(設問1)
 D社と同業他社のそれぞれの当年度の財務諸表を用いて経営分析を行い比較した場合、D社の課題を示すと考えられる財務指標を2つ、D社が優れていると思われる財務指標を1つ取り上げ、それぞれについて、名称を(a)欄に、財務指標の値を(b)欄に記入せよ。なお、解答にあたっては、①、②の欄にD社の課題を示す指標を記入し、③の欄にD社が優れていると思われる指標を記入すること。また、(b)欄の値については、小数点第3位を四捨五入し、カッコ内に単位を明記すること。

(設問2)
 D社の財政状態および経営成績について、同業他社と比較した場合の特徴を40字以内で述べよ。

事例Ⅳの解答手順・解き方

事例Ⅳの解答手順・解き方ですが、試験開始から第1問を解答するまでの手順は、次のとおりです。

STEP1 問題冊子のホチキスを外す。

STEP2 解答用紙から問題数を確認する。

STEP3 第1問の問題文を読む。

STEP4 事例文を読みながら、次の書き込みを行う。

(1)SWOTのいずれかに該当する文に、「下線」と「SWOT+番号」を書き込む。
例えば、「強み」の場合、S1、S2、S3のように「強み」だけで通し番号を付ける。

(2)SWOTに該当しないが、「組織・人事」、「マーケティング」、「生産・技術」、「財務・会計」、「経営理念」に該当する文にも、同様の書き込みを行う。ex) 人1、人2、マ1、マ2

※事例文を読む回数は1回のみをオススメします。読みながら上の作業を完了させてください。

STEP5 次のとおり、第1問の解答を検討する。

(1)次の財務指標を算出する。
 ①安全性(リュー、トー、コ、ジ)
 ②収益性(ソー、エー、ケー)
 ③効率性(サイ、タナ、ユウ)

(2)比較対象よりも優れている財務指標には「〇」、課題となる財務指標には「×」のマークを付け、解答の方向性を決めておく。例えば、安全性の財務指標がすべて〇の場合は、安全性を優れた指標として判断する。

(3)BS、PLをチェックし、比較対象との差が大きい箇所に「下線」を引く。多色ボールペンで作業している場合、優れている数値は「青線」、課題となる数値は「赤線」で引いておくと次の作業が効率的です。

(4)(1)で算出した各財務指標の横に、(3)でチェックした関連するBS、PLの科目、そして、事例文に書き込んだSWOTメモを書き込む。

(5)記述問題への対応を考慮し、書き込みが多い財務指標を解答に選択する。

(6)記述問題は、安全性、収益性、効率性の3つの視点で解答する。また、(4)の書き込みに基づき、理由を記述する。

(7)記述の解答は、次の内容を盛り込む。(解答作成時のポイント)
 ①「安全性」、「収益性」、「効率性」の文言を含める。
 ②安全性、収益性、効率性が、「高い」のか、「低い」のか(優れているか、課題なのか)の文言を含める。
 ③書き込みに基づき、簡潔に「理由(要因)」を含める。
 ④解答の構成は、「●●が多く(少なく)△△性が高い(低い)。」という型を意識する。(●●のところに「理由(要因)」が、△△のところに「安全性」などが入ります。)

解説「平成29年度 事例Ⅳ 第1問 設問(1)」

それでは、「中小企業診断士 2次試験 平成29年度 事例Ⅳ 第1問 設問(1)」の解説です。

解答手順・解き方の「STEP5(1)、(2)」に従い、安全性、収益性、効率性の財務指標を算出し、評価します。(STEP1~4は割愛しています。)

続いて、「STEP5(3)」に従い、BS、PLに「下線」を引きます。

下表では、相対的に、優れている点を「青色」、課題となる点を「赤色」で表示しています。

(中小企業診断士 2次試験 平成29年度 事例Ⅳ を基に作成)
(中小企業診断士 2次試験 平成29年度 事例Ⅳ を基に作成)

続いて、「STEP5(4)、(5)」に従い、関連するBS、PLの科目、事例文のSWOTメモを書き込み、書き込みが多い財務指標を解答として選択します。

解答例は、次のとおりです。

① (a) 売上高総利益率 (b) 12.70%

② (a) 自己資本比率 (b) 19.88%

③ (a) 棚卸資産資産回転率 (b) 22.95回

解説「平成29年度 2次試験 事例Ⅳ 第1問 設問(2)」

記述問題ですが、「STEP5(6)」に従い、安全性、収益性、効率性の3つの視点で、そして、書き込みに基づき理由を盛り込みます。

なお、「STEP5(7)」の内容を盛り込むように注意してください。

解答例は、次のとおりです。

「高品質製品の提供で効率性が高いが、借入依存と加工コスト高で安全性と収益性が低い。」

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