【一発合格者の過去問解説】中小企業診断士 2次試験 平成26年度 事例Ⅳ 第1問

過去問解説(二次試験 事例Ⅳ)

この記事は、「中小企業診断士 2次試験 平成26年度 事例Ⅳ 第1問」の解答・解説を紹介しています。

「事例Ⅳ 第1問のポイント」は、次のとおりです。
(1)試験開始後「25分」までに解答を完了する。(事例Ⅳは時間との戦いです。)
(2)財務指標は、オーソドックスなものを選択する。
(3)文字数制限の対策のため、キーワードをあらかじめ用意する。
(4)基本的に全問正解を目指す。(例年25点程度の配点です。)

なお、試験問題(過去問)は、以下のURLから入手することができます。
https://www.j-smeca.jp/attach/test/shikenmondai/2ji2014/d2ji2014.pdf

問題文「平成26年度 事例Ⅳ 第1問」

例年、事例Ⅳの第1問は「財務分析(経営分析)」が出題されています。
平成26年度では、以下の問題が出題されました。

第1問(配点24点)
 D社の貸借対照表、損益計算書と同業他社の貸借対照表、損益計算書を比較して、D社が優れていると判断できる財務指標を1つ、財務上の課題となる財務指標を2つ、名称(a)とその数値(b)(単位を明記し、小数点第3位を四捨五入すること)を示し、そこから読み取れるD社の財政状態および経営成績(c)についてそれぞれ30字以内で述べよ。なお、優れている指標については①の欄に、課題となる指標については②、③の欄に、それぞれ記入すること。

事例Ⅳの解答手順・解き方

事例Ⅳの解答手順・解き方ですが、試験開始から第1問を解答するまでの手順は、次のとおりです。

STEP1 問題冊子のホチキスを外す。

STEP2 解答用紙から問題数を確認する。

STEP3 第1問の問題文を読む。

STEP4 事例文を読みながら、次の書き込みを行う。

(1)SWOTのいずれかに該当する文に、「下線」と「SWOT+番号」を書き込む。
例えば、「強み」の場合、S1、S2、S3のように「強み」だけで通し番号を付ける。

(2)SWOTに該当しないが、「組織・人事」、「マーケティング」、「生産・技術」、「財務・会計」、「経営理念」に該当する文にも、同様の書き込みを行う。ex) 人1、人2、マ1、マ2

※事例文を読む回数は1回のみをオススメします。読みながら上の作業を完了させてください。

STEP5 次のとおり、第1問の解答を検討する。

(1)次の財務指標を算出する。
 ①安全性(リュー、トー、コ、ジ)
 ②収益性(ソー、エー、ケー)
 ③効率性(サイ、タナ、ユウ)

(2)比較対象よりも優れている財務指標には「〇」、課題となる財務指標には「×」のマークを付け、解答の方向性を決めておく。例えば、安全性の財務指標がすべて〇の場合は、安全性を優れた指標として判断する。

(3)BS、PLをチェックし、比較対象との差が大きい箇所に「下線」を引く。多色ボールペンで作業している場合、優れている数値は「青線」、課題となる数値は「赤線」で引いておくと次の作業が効率的です。

(4)(1)で算出した各財務指標の横に、(3)でチェックした関連するBS、PLの科目、そして、事例文に書き込んだSWOTメモを書き込む。

(5)記述問題への対応を考慮し、書き込みが多い財務指標を解答に選択する。

(6)記述問題は、安全性、収益性、効率性の3つの視点で解答する。また、(4)の書き込みに基づき、理由を記述する。

(7)記述の解答は、次の内容を盛り込む。(解答作成時のポイント)
 ①「安全性」、「収益性」、「効率性」の文言を含める。
 ②安全性、収益性、効率性が、「高い」のか、「低い」のか(優れているか、課題なのか)の文言を含める。
 ③書き込みに基づき、簡潔に「理由(要因)」を含める。
 ④解答の構成は、「●●が多く(少なく)△△性が高い(低い)。」という型を意識する。(●●のところに「理由(要因)」が、△△のところに「安全性」などが入ります。)

解説「平成26年度 事例Ⅳ 第1問 」

それでは、「中小企業診断士 2次試験 平成26年度 事例Ⅳ 第1問」の解説です。

解答手順・解き方の「STEP5(1)、(2)」に従い、安全性、収益性、効率性の財務指標を算出し、評価します。(STEP1~4は割愛しています。)

続いて、「STEP5(3)」に従い、BS、PLに「下線」を引きます。

下表では、相対的に、優れている点を「青色」、課題となる点を「赤色」で表示しています。

(中小企業診断士 2次試験 平成26年度 事例Ⅳ を基に作成)
(中小企業診断士 2次試験 平成26年度 事例Ⅳ を基に作成)

続いて、「STEP5(4)、(5)」に従い、関連するBS、PLの科目、事例文のSWOTメモを書き込み、書き込みが多い財務指標を解答として選択します。

記述問題ですが、「STEP5(6)」に従い、安全性、収益性、効率性の3つの視点で、そして、書き込みに基づき理由を盛り込みます。

なお、「STEP5(7)」の内容を盛り込むように注意してください。

解答例は、次のとおりです。

① (a) 売上高総利益率 (b) 72.00% (c) 県内の知名度が高く、お土産の商品化の成功により収益性が高い。

② (a) 自己資本比率 (b) 16.67% (c) 借入依存と一部店舗の客足減で利益剰余金が少なく安全性が低い。

③ (a) 有形固定資産回転率 (b) 1.11回 (c) 多店舗展開だが、古くからの店舗の客足減により効率性が低い。

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